獣姦小説

獣姦する男@

 

 男は人間の女が嫌いだった。

 

 赤い口紅を塗り、高そうなドレスで着飾った女たちは、必ず男を見下すか憐れみの目を向けてくるからだ。

 

 男はかつて貧乏だった。実家の牧場をある事件のせいで出ることになってからというもの、人生は苦労の連続だった。

 

 当時高校生だった男は仕事を選ぶこともできず、工場の勤務についた。朝から晩まで体を酷使して働いても、暮らしていくのが精いっぱい程度の賃金しかもらえない。当然、休日に気晴らしをする金もなかった。

 

 そんな生活の中ではいつしか心も擦り切れ、すさんでいった。

 

 しかし、長い夜もいつかは明けるというものだ。男の人生に、ある日一筋の光が差した。

 

「キミのご家族が亡くなったよ」

 

 それは、家族全員の死を知らせる、叔父からの電話だった。叔父の話によると、一家そろって車で出かけたところを事故にあったそうだ。

 

 男はそれを知らせてくれたのが父の弟であることも忘れ、電話口で歓喜の雄叫びを上げた。

 

「この、ケダモノが」

 

 男の過去を知る叔父は、怒りを押し殺した声で言うと、挨拶もなく電話を切った。

 

 家族は遺言を残していなかった。

 

 かくして、一家の金、土地、建物のすべてが男のものとなった。

 

 

 

 男が実家を離れるきっかけとなった事件の話をしよう。

 

 当時16歳だった男は、クラス一の美人に恋をした。男は彼女を思い、来る日も来る日も自慰にふけった。やがて男は欲望を抑えきれなくなり、彼女に思いを告げた。

 

 結果は言うまでもない。彼女は潰れたナメクジでも見たかのように顔をしかめ、冷たく言い放った。

 

「きも」

 

 それが男の一世一代の勇気に対する答えだった。

 

 拒絶された怒りと屈辱が、男の中で荒れ狂っていた。あの女を殺してやりたい。俺を拒否した罪を思い知らせてやりたい。

 

 しかし、男には法を犯す覚悟がなかった。

 

 どこかにぶつけずには済まされない衝動がふくらむばかりで、やがてそれは物言わぬ弱者へと向けられた。

 

 父の牧場には400頭の乳牛と、ふれあい広場用のヤギや羊などが数頭ずついた。

 

 男が目を付けたのは、若くて大人しい雌ヤギだった。真っ白な毛を持つ人気者のヤギを、男は農具小屋に連れ込んだ。そして声を上げられないように口をきつく縛り、首にも縄をつけて柱にくくりつけた。

 

 人慣れしたヤギは縄のきつさに戸惑いながらも、たいした抵抗を見せなかった。

 

 男はヤギの後ろに回ると、短いしっぽを持ち上げた。

 

「ああっ」

 

 男は感動に震えた。初めて見たヤギの性器は、エロ本からモザイクを取り去ったように生々しい色と形をしていた。

 

 男はごくりとつばを飲み込んだ。男性器に体中の血が集まり、熱くなっていく。

 

 男はチャックを開けて荒ぶる肉棒を解放し、たっぷりと唾液をつけた。その先をヤギのヴァギナにあてがい、力任せに押し込んでいく。

 

 ヤギは痛がって暴れたが、男の脳は突き抜けるような快感に痺れていた。溜まりに溜っていた鬱憤が、そのまま快楽へと変換されていく。

 

 男は夢中になって腰を振った。ヤギはくぐもった鳴き声を上げながら脚をばたつかせて嫌がったが、そのこともまた男の征服欲を満たしてくれた。

 

 深く突くたびに、毛深い尻と男の下腹部がぶつかる。パンパンと、人間の肉同士がぶつかるかのような幻聴が聞こえた。

 

 とろけるような快感に支配されながら、男は果てた。

 

 放たれた精を受けとる器があることは、部屋でティッシュに出すのとはまるで違った満足感を与える。

 

 ペニスを抜いた男は、その場に座り込んでヤギのしっぽを持ち上げた。激しく動いたせいか、割れ目からは一筋の血が滴っていた。

 

 ヤギが身をよじった拍子に白い液体があふれ出す。それは赤い血液と混ざりあい、真っ白な毛をピンクに染めた。

 

 まだ息も荒い男の下半身に、再び熱い血が流れ込んだ。

 

 

 

 それから男は毎日のようにヤギたちを犯した。羊にも手を出したし、1頭だけ飼育しているポニーのヴァギナも味わった。

 

 男のお気に入りは、最初に犯した雌ヤギだった。今では男の声を聞くだけで怯えて逃げ出すそのヤギが、恋人のように愛しくてたまらない。男はそのヤギと交わるときだけは、ローション代わりに卵の白身を塗ってやった。

 

 その日も、男はお気に入りのヤギと性交していた。快感が高まり、オーガズムに達しそうだと思ったときだ。

 

 突然、ガチャリと外から鍵の開けられる音がした。男は咄嗟にペニスを抜いたが、屹立したそこを隠す間もなく扉が開いた。

 

「なっ、お前……」

 

 怒るでもなく茫然とした表情で立ち尽くしているのは、男の父だった。その隣には叔父もいる。

 

 男もまた自失して、一瞬でしぼんだペニスを隠すこともせず突っ立っている。ヤギだけがこの沈黙の意味を分からず、震えながら拘束を解こうともがいていた。

 

 縛られたヤギと、下半身裸の男。この光景を見ていかがわしい行為の他に何を思いつくだろうか。

 

「貴様ッ……! 自分が何をしているかわかっているのか!!」

 

 父より早く我に返った叔父が、顔を真っ赤にして怒鳴りつけた。

 

「獣姦……、獣姦だぞッ!!」

 

 獣姦という言葉を聞いたのは、その時が初めてだった。そうか俺は獣姦をしていたのかと、男はぼんやり考えた。このあと勘当されることも知らずに。

 

 こうして男は獣姦に目覚め、二度と這い上がれない深みへとはまっていったのだ。

 

 

 

 労せず大金を手にした男は、次に何をするだろう?

 

 牧場を手放せば、さらに大きな金が手に入る。贅沢をしなければ一生暮らしていけるほどの金だ。この金があればもう女に見下されることはなくなるし、逆に高飛車な女たちを好きにすることだってできる。

 

 しかし、男はもはや人間の女など求めてはいなかった。

 

 この金があればいくらでも獣を買える。いや、その前に牧場の家畜を片っ端から犯してやろう。

 

 葬式で人が集まっているにも関わらず、男は情事にふけっていた。もう口をふさぐ必要はない。

 

 男は逃げられないようにしたヤギをめちゃくちゃに犯しまくった。自分を勘当した父のヤギだと思えば、愛しさよりも憎しみが勝る。痛みで叫ぶヤギの声が、甘美に鼓膜を震わせた。

 

 久方ぶりの性交だということもあり、男は激しく、乱暴に腰を打ちつけた。

 

 ヤギの悲痛な悲鳴が甲高く牧場に響き渡る。

 

 この声を聞く親戚一同の顔を思い浮かべて、なおさら気持ちが良くなった。

 

 財産が男の物になった以上、親戚たちは男のすることに口を出せない。かといって、身内から逮捕者を出すくらいなら、ヤギを犠牲にしてでも口をつぐむだろう。

 

 俺は、父さんのヤギをレイプしている!

 

 追放から10年以上の月日が過ぎていた。男はついに、父の牧場の支配者として舞い戻ったのだ。

 

 

 

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